生き残れ!金融円滑化法終了後の中小企業の窮地とその対策【メールマガジンバックナンバー第9号】 |S.K.I.ビジネスパートナーズ

事業再生・倒産回避コンサルティング S.K.I.ビジネスパートナーズ お問合せメールフォーム

【メールマガジン全12回】

 生き残れ!金融円滑化法終了後の中小企業の窮地とその対策 【Vol.9】

★配信ご希望の方は右の登録フォームよりご登録ください。

▼バックナンバー【Vol.1】『金融円滑化法下の中小企業の実態』
▼バックナンバー【Vol.2】『中小企業の金融環境に「合成の誤謬(ごびゅう)」が!』
▼バックナンバー【Vol.3】『疑問に答える!こういった企業はリスケジュールを継続すべき。』
▼バックナンバー【Vol.4】『リスケジュール継続企業―『不安定な安定』の危機管理』
▼バックナンバー【Vol.5】『リスケを継続してはいけない企業』が生き残る方法
▼バックナンバー【Vol.6】「返済ストップ」のための実務
▼バックナンバー【Vol.7】「返済ストップ」のための実務パート[2]
▼バックナンバー【Vol.8】「返済ストップ」からの再生実務パート[1]
▼バックナンバー【Vol.9】<中小企業生き残りの現実的な手段と、出口戦略>
▼バックナンバー【Vol.10】<中小企業生き残りの現実的な手段と、出口戦略>
▼バックナンバー【Vol.11】<中小企業生き残りの現実的な手段と、出口戦略>
▼バックナンバー【Vol.12】<中小企業生き残りの現実的な手段と、出口戦略>



■■■◆■ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 2012.12.20 
■◆■■
■■■  生き残れ!金融円滑化法終了後の中小企業の窮地とその対策
◆■                           【Vol.9】

■──────────────────── S.K.I.ビジネスパートナーズ

 まえがき:『金融円滑化法』の終了が来年3月に迫っています。
  同法を利用して元金返済を棚上げしている
  中小企業の借り入れ件数は延べ約300万件。
  同法終了後には倒産企業続出といった見方もありますが、
  果たしてどうなるのでしょう。
 
  日々、中小企業の再生再編の現場で活動している
  事業再生コンサルタント川原愼一とSKIのメンバーが、
  その現実と中小企業の生き残り作戦についてお伝えしていきます。

┏┓
┗■ 【第9号:<中小企業生き残りの現実的な手段と、出口戦略>
┃―ゾンビ企業ではなく再生企業、倒産予備群ではなく再生予備群!への道―
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 衆議院選挙も終わり、自民党の大勝で中小企業の経営環境がどう変わるのか
  注目に値しますね。
  このメルマガを発行し始めて4ヶ月ほどが経過しましたが、春から夏にかけ
  て「金融円滑化法終了」の話題が多く語られていたことと比較すると、この
  秋以降は意外にそれが話題になっていませんでした。メディアの注目が選挙
  に集中したためでしょう。
  案の定選挙後には、テレビではこのテーマを特集する番組も放送され、年始
  からはさらに話題になると思われます。
  その話題の中心は<出口戦略>と呼ばれる、金融円滑化法でのリスケジュー
  ルが終わった後の具体的な方策です。
  今回のメルマガでは、どのような公的な支援が用意されているのか。具体的
  にその支援を活用することが可能なのか、探っていきましょう。
 
  金融庁・中小企業庁からは今年の春に、「中小企業金融円滑化法の最終延長
  を踏まえた中小企業の経営支援のための政策パッケージ」が策定、発表され
  ています。
  国は金融円滑化法終了の出口戦略の基本はこの政策パッケージだとしていま
  す。
 
  ・再生支援協議会の働き
 
  その具体的内容というと、まず『中小企業再生支援協議会』の存在があげら
  れます。
  この協議会は、中小企業の再建をサポートする為に平成15年に全国の都道府
  県別に設置されました。マネージャーと言われる責任者(主に地銀からの出
  向者)+会計の専門家が数名という編成が中心です。
  協議会設立以降、平成23年12月末までの窓口相談企業数は、累計で23,392社。
  また、金融機関との調整を含む抜本的な対策が必要な企業に対する再生計画
  の策定支援(以下「二次対応」といいます。)の完了数は、累計で3,114社。
  再生作業の完了数は年間平均366社といった実績です。
  完了と言っても、その内容の9割はリスケジュールとなっています。つまり
  抜本的な再生案件の完了は年間約40社程度なのです。これは全国の合計です。
  にもかかわらず、国はこの中小企業再生支援協議会に来年4月以降年間3000
  社の再生計画の策定を示唆しているようです。
  現在の陣容で、これまでの約10倍の案件をこなすのは至難の技と思うのは私
  だけでしょうか?
  しかも金融円滑化法でのリスケジュールを行っている企業は30〜40万社とい
  われていますから、3000社が目標ということは100分の一に過ぎません。
  また協議会が主導するデューデリと呼ばれている資産調査には、数百万円か
  ら1千万円程度のコストが係り、規模の小さな企業から零細企業には不向き
  と言わざるを得ません。
  さらにマネージャーと言われる責任者は、主に地銀から出向していますから、
  自行(地銀)の利益を損なうような再生手法は選択に入りません。
  それでも(詳しいことは省きますが)、売り上げで10億円以上の企業にとっ
  ての相談窓口としては有効と思われますし、複数の銀行に対してリスケジュ
  ールを継続する場合は調整役を果たしてもらえるかもしれません。同法終了
  後の対策に迷っている企業は、この協会の門を叩いてみる価値はあると思い
  ます。
 
  ・その他の動きも
 
  次に、この政策パッケージでは、金融機関に貸付先の事業再生コンサルティ
  ング機能を強化せよと謳っています。このことはメルマガ3号でも書きまし
  たが、現場で銀行交渉のお手伝いをしている実感としては、メガバンクの一
  部にその動きがある程度です。地銀以下の担当者には、残念ながら再生への
  コンサルティングの素養は感じられません。
 
  また国は追加的な支援策として10月中旬に以下の様な発表を行いました。
  『中小企業庁と金融庁は地域金融機関や政府系機関などとともに、経営不振
  に陥っている中小零細企業の事業再生を支援する組織を47都道府県に整備す
  る。各地の信用保証協会を窓口に、再生計画の策定を目指す。来年3月の中
  小企業金融円滑化法の期限切れに備え、支援が必要となる5万〜6万社の中
  小零細企業にきめ細かく目配りする。』(日経新聞10月18日)
 
  具体的な内容は、中小企業には馴染み深い信用保証協会を事務局として、そ
  の中立的な立場から金融機関や地域再生ファンドとの連携を強め、中小企業
  再生支援協議会で扱うことが出来なかった案件なども支援要請を受け付ける
  となっています。
  どこまでできるかは解りませんが、今後に注目しましょう。
 
  ・円滑化法終了の意味するもの
 
  さて公的な支援についてご紹介してきましたが、現場で日々中小企業のお手
  伝いをしている立場から本音で一連の動きの感想をお話しすると、
 
  [1]金融円滑化法は中小企業対策といいながら、金融機関にとってはリスケ
  ジュールしている企業の債務者区分を甘くできることで、引当金を増積みせ
  ずに形式上不良債権の増加を防いできた。実は金融機関対策だったという面
  が強い。
 
  そして、民主党が選挙対策として同法の再々延長または同法に変わる立法を
  しないので、
 
  [2]国(金融庁・中小企業庁)は金融円滑化法終了前からの倒産件数の大幅
  な増加、また長引くデフレなどから中小企業の淘汰やむなしと判断している
  と思われる。
 
  そして、
 
  [3]「円滑化法の期限切れにより企業倒産が急増する責任を問われないよう、
  上記のような対策を並べてアリバイ作りに必死」(地銀関係者)なだけ。
  さて、これらは穿った見方でしょうか。多くの中小企業の窮状を知るものと
  しては、自分の見方が誤っていることを祈るばかりです。
 
  但し、私は中小企業のサポーター役の立場でお話していますが、市場の原理
  原則に照らして見た時、抜本的な再生の技術として融資を行っている銀行が
  DDS(融資残を資本性融資に切り替える),DES(融資残を資本に切り替える)
  のような資本に係わるのはおかしいとも言えますし(銀行がその企業のオー
  ナーになってしまいます。)、国があまりにも私企業に係わるのもいかがな
  ものかとも言えます。
 
  ですから、私達中小企業は自分が身につけた知識・知恵・行動力で自身の事
  業を再生させていく覚悟を持たなければならないのが原則です。
  「ネガティブに考えて、ポジティブに行動する」
  いまこそ、公的支援に頼らない危機管理体質が必要とされています。
 
  次回のメルマガでは、「泥臭く生き残る方法」についてお話ししていきまし
  ょう。


■─ 変革の時、活性化の時、再生の時、あなたに必要なもう一人─────
■ 
◆■  発行 株式会社S.K.I.ビジネスパートナーズ
■■■    東京都品川区西五反田1-11-1アイオス五反田駅前
■◆■■   TEL:03-6420-3780 Mail:info@skibp.co.jp
■◆■■   URL:http://www.skibp.co.jp/
■◆■■■
■■◆■■■  配信停止:http://www.skibp.co.jp/merumaga.html
■■■◆■■■____________________________


実録「下町M&A」中小企業の生き残り戦略
新たな時代の事業再生実務『中小企業のM&Aとは』

メールマガジン登録・解約フォーム

配信または解約をご希望の方は、下記の登録フォームより、登録また解約をご選択いただき、メールアドレスをご入力のうえ、「送信」ボタンより送信してください。

 

登録    解約

メールアドレス 

 

 

※当サイトでは、プライバシー保護のため、グローバルサインのSSLサーバ証明書を使用し、SSL暗号化通信を実現しています。